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「椎」と「樫」、柄の話



当店の鍬の柄は「椎」と「樫」の二種類あります。
一般的に鍬に使用されている木材もこの二種類がほとんどではないでしょうか。
この二種類の木材の違いを今日はご紹介いたします。

まずは椎。
ブナ科クリ亜科シイ属の木材で、本州から九州にかけて見られます。
その名の通り、椎茸の原木としても利用されています。
木材としてはやや硬めの部類ではあるけれど、狂いが生じやすく耐久性もそれほどではありません。

次に樫ですが、ブナ科の総称で、日本では特に温暖な地方で多く見られます。
きへんに堅いと書くように、特に硬く強靭な木材として知られています。
粘りがあり水湿に強いため、昔から広く利用されてきました。

こう見てみますと、椎は弱く、樫は強い、となり、それなら全ての鍬の柄を強い樫にすれば良いのではという事になりますが、やはり物事には一長一短があるんですね。
椎は弱い代わりに軽く、樫は強い代わりに重いんです。
そこで、力が比較的必要無い作業で使う草削などには軽くて扱いやすい椎の柄を、力が必要で鍬自身の重さで効率よく畑を耕す唐鍬などには樫の柄を使う、という訳です。
先人の知恵ですね。

(K)
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